こんにちは、理学療法士 小倉です。
今回は高齢者の転倒についてです。
筋力をつければ大丈夫。
いつも運動しているから大丈夫。
このように思われている方いませんか?
実は普段からしっかりと動いている方でも
転倒を回避できる機能が身体にないと転んでしまいます。
高齢者が骨折する原因は、圧倒的に転倒が多いです。
70歳代で61.7%、80歳代で73.2%、90歳代では95.7%と
ほとんどが転倒による骨折です。
そこで、躓いた時に転倒を回避するための身体の機能について
分かりやすくお送りいたします。
[躓いた時に転倒を回避する仕組み]
躓いた時を想像してみてください。
このように上半身が前に傾いてしまうのは
イメージできるでしょうか?
写真を例にすると、上半身が急速に前に傾いてしまった時
「おっとっと」と、とっさに足を手前に出して
転ばないように足を速く動かします。
しかし体重の半分の重さがある上半身が速いスピードで前に傾くと、とっさに足を出し速く動かしてもバランスをとることができず、前に転んでしまいます。
では躓いた時、私たちはどのように
転倒を回避しているのでしょうか。
[前へ加速した力を利用して、さらに上半身を加速させて転倒を回避する]
これでは少し分かりづらいですね(^^)
陸上選手の短距離走の前半と後半の走り方を例にします。
このようにスタートから前半は、上半身を前に傾けて走っています。
陸上選手は足を大きく前に出しているので転ばないのです。
後半は前に加速する力が段々と増すため、上半身が起き上がっています。
これは、我々が躓いた時に転倒を回避する機能と類似しているのです!!!
つまり、躓いた時に前に傾いた力を利用して、上半身を後ろに反らすことができれば転倒を回避できるのです。
ではなぜ高齢者は転びやすいのでしょうか???
[高齢者の姿勢]
高齢者は背中が丸まった円背姿勢の方が多いです。
この姿勢では、上半身を反らすことができないので
転んでしまうのです。
また若い年齢層の方でも、猫背や背中を反らすことができないと
転んでしまう危険性はあります。
そこで今回は転倒を回避するための、円背姿勢・猫背改善の
方法をお伝えします。
[僧帽筋体操①]
①掌を正面に向けて、腕を上げます。
②掌を後ろに向けて、胸を張るように腕をさらに上げます。
[僧帽筋体操②]
①先程と同様に掌を前にして、腕を上げます。
②肘を曲げながら下げます。
このとき肩甲骨を下(少し内側)へ下げるように意識すると、
自然と胸を張ることができます。
転倒を回避できる身体の機能を身に付けることは
とても重要です。
健康寿命を伸ばすためにも、実践してみてはいかがでしょうか?
小倉 将徳
理学療法士
●資格
・ネイシュー
インソールベーシックマイスター
・千葉県理学療法士協会認定
千葉県高等学校野球選手権大会千葉大会 現場サポートスタッフ
●得意な分野
姿勢分析、バイオメカニクス、インソール
●趣味
野球、ファッション、読書(哲学)
●自分の想い
私は学生時代に腰痛で苦しみ、悩んでいました。皆さんの様々な悩みを共有し合い、若い方からご高齢の方 まで、幅広く携わりたいと思っています!!