疲れを癒やす腹式呼吸の仕組み その2 ~腹式呼吸≠腹壁呼吸~

疲れを癒やす腹式呼吸の仕組み その2

~腹式呼吸≠腹壁呼吸~

こんにちは、理学療法士の佐藤です。

 

 

前回は横隔膜を使った腹式呼吸の大切さを、身体の作りや仕組みからお話させていただきました。

 

前回の記事はこちらをクリック

 

間違った腹式呼吸が多いと感じる、とお話をしましたね。その事について今回は触れていきたいと思います。

 

 

それって腹式呼吸?腹壁呼吸?

 

テレビで紹介されていた腹式呼吸を寝る前にふと思い出して布団の中でやってみた

 

という方もいるかと思いますが、

 

かえって力んでしまった、身体が休まらなくなった

 

という方は多いのではないでしょうか?

 

 

 

多分、多くの方が息を吸う時はお腹を大きく膨らませ、

 

吐く時はお腹を凹ませ息を全て吐ききるイメージでしょう。

 

その時腹筋に力が入っていたり、膨らんだお腹が固くなっていませんか?

 

 

 

これは背筋と腹筋を同時に働かせ息を吐ききっている状態です。

 

背中とお腹の筋肉が同時に働いているので、身体がこわばっている状態ですね。

 

 

 

この場合、呼吸に働く筋肉が増えお腹も固くなっているため呼吸は浅く、

 

前回お話した呼吸運動での酸素の消費量も増加してしまい、

 

リラックスをするための腹式呼吸とは言えません。

 

 

 

このような呼吸をリハビリでは腹壁呼吸といいます。

 

腹壁呼吸は完全悪というわけではなく、

 

COPDの患者様などで息苦しさを軽減するために指導するものです

(喫煙者に多いとされている肺の病気。CMでも聞きますね)

 

 

 

つまり、腹筋を使った呼吸では横隔膜は働きづらいのです。

 

じゃあ、横隔膜ってどう動かすの??という疑問が出ますね。

 

横隔膜を意識して動かしますか?

 

 

横隔膜って意識できますか?

 

結論から言うと、横隔膜の動き自身は意識することは難しいです。

 

その為、意識しない事が横隔膜を使うための一番の方法と自分は思います。

 

 

筋肉には今どれくらい伸ばされているかをチェックする『筋紡錘(きんぼうすい)』というセンサーがあります。

綱(筋肉)は伸ばされた情報をキャッチし、断裂しないように縮もうとする

筋紡錘が反応すると筋肉に縮まるよう指令が出るのですが、

 

実は横隔膜にはこの筋紡錘がほとんど無い為、

 

位置・動きを意識して動かすのが難しい筋肉なのです。

 

 

他にも色々なセンサーの種類がありますが、横隔膜はどのセンサーも少ないです。(長くなるためここでは割愛します)

 

 

 

その為、意識した呼吸で働きやすいのは、センサーの豊富な背筋や腹筋であり

 

先に述べたリラックスできない腹壁呼吸となりがちです。

 

 

 

横隔膜が動く = リラックス

 

 

 

腹式呼吸の方法を誤り、腹壁呼吸になってしまった場合

 

リラックスできないことがわかっていただけたでしょうか。

 

 

では横隔膜を用いた呼吸ではなぜリラックスしやすいのか、

 

 

横隔膜は胃腸など内臓の天井になっている為、

 

横隔膜が大きく動くことは胃腸を動かします。

 

胃腸は動くことで幸せホルモンとも称されるセロトニンの分泌が促されます。

 

 

 

このホルモンは、

 

身体の覚醒リズムを整える

 

内臓の動きを活発にする

 

など、自律神経でもリラックスと言われる副交感神経を活性化させます。

 

 

 

これにより呼吸の安楽さに併せ生活リズムを整え、

 

適度な身体の緊張状態を作り上げるため

 

疲れを癒やすだけでなく、疲れづらい体を作ることが出来ます

 

 

 

今回、具体的方法まで書きたかったのですが、

 

長くなってしまう為、ここまでで!

 

次回は具体的な方法を写真を用いて説明できればと思います。有難うございました!

佐藤 雅

理学療法士

 

●資格

3学会合同呼吸療法認定士

キネシオテーピング協会認定トレーナー

IPNFA認定アドバンスコースⅢa修了

 

●得意な分野

呼吸療法

 

●趣味

筋トレ

 

●自分の想い

皆さんが意識もせず行っている呼吸、

必ず行うものだからこそ、質のいい呼吸が必要と思います。

皆さんへの情報発信を通して、自分も高めていければと思います♪