ダイエットのあれやこれやpart3 ~運動刺激で進化するカラダ~

ダイエットのあれやこれやpart3 ~運動刺激で進化するカラダ~

 

 

こんにちは!理学療法士の佐藤です。

 

 

更新が遅くなりましたが、「ダイエットのあれやこれや」と題しまして

2つほど記事を書かせていただきました。

 

 

Part1~ダイエットには有酸素運動?~

Part2~褐色脂肪細胞で痩せる?~

 

 

 

痩せやすい身体作りには運動しましょう!と言いましたが、

単純に筋肉を大きくするためではありません。

 

運動をすることで

脂肪の中では『ベージュ脂肪細胞』が、

筋肉の中では『サルコリピン』という物質が増加します。

 

先ずはベージュ脂肪細胞について。

 

ベージュ脂肪細胞はブライト脂肪細胞とも呼ばれ、

前回お話した褐色脂肪細胞と同様の機能を持ちます。

 

このベージュ脂肪細胞は白色脂肪細胞(一般的な脂肪)

が変化したものと言われていますが、

変化させるための刺激がいくつか報告されており、

 

①運動刺激、②寒冷刺激、③栄養摂取

 

 

が重要と言われています。これらについて説明します。

 

 

①運動刺激

 

日常的に運動習慣のある人は

ない人と比べてベージュ脂肪細胞の量が多く、

 

特に運動も筋肉を太くするような

キツめの負荷(68回持ち上げるのがやっとな重量)

で運動をするとベージュ脂肪細胞が多くなる傾向があるようです。

 

また、動物モデルでの研究ですが

190分の有酸素運動では

ベージュ脂肪細胞の発生量が低下したと報告があります。

 

 

海外の報告では、

イギリスやカナダの大学が共同で研究したもので、

肥満の女性79名を対象に、1日当たり約200kcalカロリー制限をしながら、

5回x16週間のエクササイズをやってもらったが、

熱産生を促すUCP-1(ベージュ脂肪細胞や褐色脂肪細胞に含まれるもの)

の発生量は高まらず、ベージュ脂肪細胞の形成も認められなかった。

との報告もあります。

 

このことから、

有酸素運動よりも少しきつい運動、

筋肉を増やす為の運動で効果が見られると言えますね。

 

 

②寒冷刺激

 

 

これは前回のブログで説明しましたように、

褐色脂肪細胞は寒さを刺激として体温維持を図るために活動をしますが、

ベージュ脂肪細胞も同様の働きをします。

 

室温16度の部屋で2時間過ごした人とそうでない人を比較すると、

ベージュ脂肪細胞の量は室温16度の部屋で過ごした人に多かった

と報告があります。

 

また、運動の影響もあるかと思いますが、

水泳選手やトライアスロンの選手には

特にベージュ脂肪細胞の量が多かったようです。

 

その為、水泳などの運動は寒冷刺激に合わせ、運動刺激も加わる可能性があると言えます。

 

③栄養摂取

 

最近耳にすることが増えてきた

「オメガ3」と言われる魚の油(DHA.EPAと言われるもの)

カフェイン・カプサイシンと言った成分が、

ベージュ脂肪細胞の機能を高めてくれるようです。

 

 

これらの刺激が一般的な脂肪を進化させ、痩せやすい体を作る為の運動が必要な理由の一つです。

 

 

 

次に2つ目の『サルコリピン』について説明をしたいと思います

 

 

 

これは筋肉の中にあるタンパク質の一種で、

2012年頃に発見されたばかりの比較的新しい物質です。

 

実はこのサルコリピンが褐色脂肪細胞よりもすごい機能が備わっているんです。

 

またまたマウスを用いた研究の内容になるんですが、

 

サルコリピンを有するマウス

サルコリピンを有さないマウス

 

 

どちらも褐色脂肪細胞はある状態

室温4度の部屋に入れると、

 

サルコリピンのないマウスは身体の深部体温まで冷え切っているのに、

サルコリピンを有するマウスでは深部体温は維持される

という結果が出たそうです。

 

その後、同様のモデルでの実験で

高脂肪食を食べたらどうなるか?

という実験をしました。

 

すると、

サルコリピンのないマウスでは大きく太ってしまったのに対し、

サルコリピンを有するマウスではわずかしか太らなかったとのことです。

 

 

この事はサルコリピンは体温を生み出す強い力

つまり体内での代謝活動を活発にする他、

脂肪燃焼に効果があることと言えます。

 

これは、ダイエットという観点は当然ながら、

糖尿病や高脂血症などの生活習慣病の予防・改善にも効果があると考えられます。

 

近年発見された物質のため、

実際の増やし方はまだ判明していないそうですが、

筋肉中に含まれるタンパク質のため、

筋肉量に依存している可能性が高いと言えます。

よって、筋肉の絶対量を増やすことが大切と考えられます。

 

 

 

今回は少しむずかしいお話が増えてしまいましたが、いかがでしたか?

 

動が大切、中でも筋肉量を増やすような運動が

筋肉以外の物質を進化させてくれる凄さが

伝わっていれば嬉しく思います。

 

 

ありがとうございました。

佐藤 雅

理学療法士

 

●資格

3学会合同呼吸療法認定士

キネシオテーピング協会認定トレーナー

IPNFA認定アドバンスコースⅢa修了

 

●得意な分野

呼吸療法

 

●趣味

筋トレ

 

●自分の想い

皆さんが意識もせず行っている呼吸、

必ず行うものだからこそ、質のいい呼吸が必要と思います。

皆さんへの情報発信を通して、自分も高めていければと思います♪