あの痛い「足のつり」をなんとかしよう!

最近気温が上がり、暑い日が多くなってきました!

こんな日に多くある「夜中に足がつってしまう。」「急な足のつりがものすごく痛くてつらい。」「伸びをした時につってしまうので、力をいれるのが怖い。」「何かの病気かも?」と不安に思われる人がとっても多いです。その原因と予防法をお伝えします!

 

足がつる状態を医学的には有痛性痙攣と言います。

足がつるの「つる」というのは、痙攣の『攣』という字を使います。漢字で書くと『攣()る』となり、つまり足がつっている状態というのは、痛みを伴う筋肉の痙攣が起きている状態を言います。

 

 


 

では、足がつってしまう原因は何でしょう?

 

    筋肉疲労

過度な運動などの筋肉疲労でつること。特につりやすい部分であるふくらはぎや足の裏は、日常生活の中でも酷使している部分。長時間の歩行や立位、久々の運動、スポーツなどで疲労が溜まり、つりを起こしやすい。

    血流障害(冷え、運動不足)

冷房の効いた部屋に長く座っていることで足元が冷えたり、運動不足による、筋力低下は血流を悪くし、つりを招くことがあります。若い頃はなかったのにと思われる方は、加齢に伴い運動量が減少し、筋力は徐々が低下した為と言えます。

    脱水

特に夏場は発汗や脱水症状などで、ミネラルバランスの乱れが起こりがちになります。また、中高年になると汗や尿と一緒にミネラルが排出されやすいため、バランスが崩れやすく、足がつりやすくなります。

    電解質異常

電解質異常とは、体液の中に存在する電解質のバランスが崩れている状態のこと。

電解質にはナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどがあり、これらが正しいバランスを保てなければ、体が酸性ないしはアルカリ性に傾いてしまいます。

また、電解質の調節を行うのはホルモンです。そのホルモンのバランスが妊娠中は大きく変化しやすい為、つりやすくいなります。

 

予防するには?

 

    適度な運動を継続する

加齢や運動不足によって筋力低下がある人は、毎日の適度な運動が大切です。かかとの上下運動やスクワットなど毎日室内で行える下半身の筋力トレーニングを中心に行うと、血流アップによりむくみの予防にもつながります。続けることが必要であるので、簡単な方法でどこでもできる運動がおすすめです。

 

    筋肉を伸ばす(ストレッチ)

ふくらはぎがつってしまった場合は、足の指を反らせます(膝方向に向けて引っ張る)。太もも後面の場合は、椅子に座り、かかとを床につけた状態からつま先を天井にピンと伸ばします。太もも前面の場合は、仰向けに寝て膝を折ります(バランスに自信がある方は立ったまま行っても構いません。)つまり、つっている筋肉を伸ばす・ストレッチします。激痛のため、この行為を行うまでが辛いですが、徐々に痛みが軽減してきます。痛くてそんなことできない場合は安静にすることです。つりやすい状態であるので、再びつってしまうこともあるので、痛みが減ってきたらストレッチを行って下さい。

 

 


    水分・電解質を補給する

スポーツドリンクなどの電解質を含んだものを補給するようにしましょう。スポーツドリンクが甘くて、苦手な方はスポーツドリンクを薄めて飲んでください。業者には、申し訳ないですが薄めても効果は変わらないと言われています。甘さだけ、薄まると考えてください。

寝ている間に汗をかくことから、寝る前の水分補給や枕元にいつでも水分補給が可能なようにペットボトルを用意しておくのもおすすめです。こまめな水分補給を行う

水分補給にお茶やコーヒーを選ぶ方もいるかと思いますが、種類によっては利尿作用があったり、カフェインを多く含むものがあります。成分もそれぞれに異なるので、毎日お茶を飲む習慣がある方で、足をよくつるような場合には、適度に水やスポーツドリンクも取り入れてみるなど工夫が必要です。特に炎天下のスポーツ時には、大量の汗をかきます。そのシチュエーションで水やお茶による水分補給では自発的な脱水症状を引き起こしてしまう場合があります。汗で失ったナトリウムを効果的に補給することが必要です。

 

    ビタミン・ミネラルを食事からも摂る

日頃の食事からビタミン・ミネラルを摂ることも筋痙攣を予防ためには重要です。カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムを含むものとしては豆乳がお勧めです。その他、野菜、豆類、海藻がおすすめで毎回の食事でバランス良く摂れるようにしましょう。


 

    運動前後のストレッチをする

運動前にストレッチを行うことで血流が良くなり、筋痙攣が起こるのを防ぎます。また運動によって特定の筋肉に負荷がかかり続けると、その部分の血流が低下します。したがって、運動後改めてストレッチを行うことで血流を改善できます。睡眠中に筋痙攣を起こすという人は、就寝前にストレッチを行いましょう。

 

    ゆっくりお風呂に浸かる

冷えによる血流障害や筋肉疲労が原因の場合は、ゆっくり湯船に浸かって体を温めるようにしましょう。一緒にマッサージなどを行うのも効果的です。

 

それでも良くならない時に考えられる事は?

つりの原因となり得る薬剤(医師、薬剤師にご相談ください。)

普段から飲んでいる薬が原因でこむら返りが起こることがあります。代表的な一部の薬を紹介します

脂質異常症の薬(スタチン)

高血圧の薬(利尿薬、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、β遮断薬)

喘息の薬(β刺激薬)

性ホルモン製剤

免疫抑制剤(ステロイド、ペニシラミン、シクロスポリン)

胃酸抑制剤(シメチジン)

もし心配なようなら、処方した医師に相談してみましょう。くれぐれも自己判断で服薬を止めないでください。

 

つりを引き起こす病気(詳しくは、病院での受診をお勧めします。)

病気をお持ちの方では、それが原因でこむら返りが起きる場合があります。下記に主なものを紹介します

神経や筋肉の病気(パーキンソン病、末梢神経障害、炎症性筋疾患など)

循環器の病気(高血圧、心疾患、動脈・静脈疾患など)

内分泌・代謝の病気(甲状腺機能の異常、肝硬変、腎不全、血液透析など)

 

 

その他の病気(電解質異常、脱水症、殺虫剤中毒、毒グモ、心因性など)

吉岡 裕介

作業療法士

 

●資格

・社会福祉主事

・CBRベーシックマスタープログラム  

・オーストラリアマニュアルセラピー 

・ タナベセラピー認定コース修了

●得意な分野

人の良い所を見つける事

●趣味

ランニング、ピラティス

●自分の想い

誰にとっても、どんな時にも、役立てるリハビリテーションを❕